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乗鞍

オフに過去の自分のエントリーを読み返した時、あまりの見苦しさに嫌悪感を覚えた。
それは主にレースによるもので、言い訳のオンパレードだと感じたからだ。
そんな経緯で今年はレポートを控えていたけど、自分が今後成長する為にそれはプラスなのかマイナスなのかとシンプルに考えた時に、少なくともプラスにはならないと思い、もう一度記録を残そうと考えた。

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21時に布団に入って23時に起きてしまう。
それから2時間くらいボーっとして1時に目をつぶり4時に起きた。
羊羹を半切れ食べる。
4時半過ぎにペンションを出る。

残りの羊羹の半切れを食べて6時20分くらいまでボーっとする。
アップは200mほどを3回くらい登る。
もう少しやっても良かったが雨脚が強くて嫌になり、やめた。

開始時間やコースに関してはギリギリまで協議が行われていたようだが、正直あまり関心を引かなかった。
フルコースに越したことはないけど、醍醐味はあの晴天があってのことだし、どのみち悪天候ならなんでも良かった。

そして大雪渓までの短縮となった。

スタートは前から5列目くらいに位置した。
過去2回、スタート位置がネガティブに働いていることもあって、積極的に前方に位置取る気は起きない。
かといって許容できるビハインドとなると、この辺りが落としどころだった。

スタートして駐車場までに理想のポジションに上げていく。
前から7、8番手くらいで森さんの後ろに落ち着いた。
有力どころを確認していく作業の中で、どうしても森本さんが見つからなかった。
何かアクシデントがあったのかと思う。

前後左右のレーサーの様子を観察していると、一様に呼吸が荒いように感じられた。
自分の心拍数はかなり抑えられていると感じていたので、心理的には余裕を持ちながら走れた。

三本滝を過ぎて、森に入っていく中で白いレーサーが淡々と前を走り始めた。
自分でも確信がもてなかったけど、周りを見渡して消去法でいくとそれは森本さんしかあり得なかった。
躊躇なく付いていった。

2010年に乗鞍に戻ってから、いつも自分の手の届かないところで勝負は始まって、終わっていた。
順位やタイムだけみれば一見健闘しているようでも、それは最初から最後まで蚊帳の外での出来事だった。

変えることは出来ないんじゃないかと思っていた未来を、今回は変えることが出来ると思っていた。

森本さんの走りは安定していて、どこまでも緻密で精密なものだった。

森本さんは3回振り返ったが、自分よりももっと遠くを見ているように見えた。
自分は確認しなかったけど、後ろは相当離れているというのは雰囲気で分かった。

何個目かのヘアピンでチェーンが落ちた。
森本さんが20mほど離れて、10m縮めたがそこからは埋まらなかった。

縮めた差がまた元に戻り、冷泉小屋前には今度は開いていった。
そうこうして堰き止められていた何かがドッと押し出されていくような感覚があり、大幅に失速していった。

位ヶ原の給水を過ぎて、5、6人の追走集団がやってきた。
合流して仕切り直したかったが、どうにもならなかった。

このパックには佐野君がいた。
彼に負けてしまったのは悔しいけど、この大舞台で立派に走っていたのは地元の仲間としては嬉しかった。

ゴールへ向けて少しずつ順位を落としていって、結果は10番となった。

ゴール後にクルーとレースを振り返っていると、なぜか目頭が熱くなってしまった。
悔しさだったのか、情けなさだったのか、雀の涙ほどの満足感だったのか、そこに内包されていたものは自分でも分からなかった。
ただ、こんな事は初めてだった。

自分の意思と関わらないところで、仮定を多く含むような状態の終わり方をしてしまったのは、率直に残念だったと思う。
けれど類推するに、ここまでリカバリーがきかなかったのは力不足以外に他ならないだろう。
今となっては、希望に見えていたのは最初からただの陽炎だった気もする。

これからのことはまた白石を登りながら、ゆっくり考えるのだと思う。
by condle1 | 2014-09-08 23:57 | レース
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